使いすぎには要注意の便秘薬

習慣化しないよう使用頻度を考える

便秘薬は、配合成分によっては長期間連用すると、慣れが生じて規定量では効果が得られなくなることがある。とはいえ、一過性の便秘で短期間使うだけなら、その心配はまずない。むしろ、出るべき排泄物が体内に溜まってしまうデメリットを考えれば、使ったほうがいいケースもかなりある。
あまり神経質にならなくてもいい。便秘薬や、睡眠薬を「全て悪」と決めつける人がいるが、正しい知識と正しい使用法であれば、全く問題ない。
誰でも比較的安心して使えるのは、マグネシウムが主成分の塩類下剤や、プランタゴ・オバタなどの膨潤性成分を主成分にした薬だ。これらは便に水分を与えて軟らかくし、便量を増やすなどして腸のぜん動を活発にし、排便を促す。作用は穏やかなので、お腹が痛くなりにくい。これらの薬をのむときは水分を多めにとるのがポイントだ。一方、比較的強い効き目をもつのが大腸刺激成分のセンナ、ダイオウ、ピサコジルなどを配合した便秘薬。腸管を直接刺激することにより腸のぜん動運動を活発にして排便を促す。連用すると腸管が刺激に慣れてしまう恐れがあるので、食事から食物繊維や乳酸菌をとったり、睡眠を十分とる、便意を我慢しない、といった生活改善の工夫も並行しよう。水分摂取が少ない人に便秘体質が多いことも明らかにされているので、積極的に水分補給を行うようにしたい。
古い便が直腸の出口で栓をしているようなときは浣腸で追い出すだけでも効果がある。

肥満に伴う便秘は漢方が効果的

肥満で便秘がちの人は便秘薬で一時しのぎをするより、漢方薬で体調を整えたほうがいい場合が多い。エネルギッシュで脂っこいものを好んで食べる食いしん坊さん坊タイプなら防風通聖散、ストレス過多で不安感の強い小太りタイプなら大柴胡湯で便秘と肥満症の両方を改善できる。便秘がちではないものの汗っかきで疲れやすい「水太り」の解消には 防已黄耆湯が合う。自分の便秘のタイプと合わせて服用するようにしたい。

漢方では、肥満になる原因を「脂肪太り」「固太り」「水太り」という3つに大別。それぞれ体質に合った薬を使わないと効果がないだけでなく、下痢などの副作用が出ることもある。脂肪太りはパワフルな食欲旺盛タイプ。固太りはストレスから食欲が高進しているタイプで、イライラや不安を伴う。水太りタイプは、ばっちゃり型。体格がいいわりに、水分を排泄するエネルギーが不足しているためむくみやすい。体質に合った漢方薬をのめば通常、2週間以内に何らかの手応えがある。
作用が強すぎて下痢気味になってしまった場合には、服用量、服用回数などを減量して調整するといい。

便秘に効果のある成分

塩類下剤

マグネシウムを配合した便秘薬。浸透圧下剤ともいう。腸管から水分を引き出し、便を軟らかくするとともに量を増やして腸のぜん動運動を活発にする。腸管を直接刺激しないので習慣性がなく、子供や高齢者でも比較的安心して使える。

膨潤性下剤

プランタゴ・オバタなどの食物繊維が代表的。腸管で水を吸って膨らみ、便量を増やして排便を促す。ほかに界面活性作用で便の表面張力を低下させることにより便に水分を与えて排便しやすくするジオクチルゾジウムスルホサクシネート(DSS)などがある。少食で便量が少ないために便秘がちな人に最適。

大腸刺激性下剤

腸管粘膜を直接刺激してぜん動運動を促す成分。植物成分のセンナ(センノシド)、ダイオウ、アロエほか、ピサコジルなどがある。長期連用すると耐性ができて規定量では効果が出なくなる恐れがある。ピコスルファートナトリウムは比較的、習慣性が出にくいとされる。

グリセリン

浣腸液の成分。腸管刺激作用と便を軟らかくする作用がある。長期連用すると憤れが生じて効果が弱まることがある。連用には注意する。
植物性大腸刺激性下剤など

  • サトラックス「分包」
  • 腸内で水分を吸収して膨らみ、腸の運動を高めて便通を促すプランタゴ・オバタと、大腸を刺激しぜん動運動を促し便を軟らかくするセンナを配合。センナが徐々に効果を発揮し、おだやかに効く。

  • スルーラックデトファイバーM
  • 腸内の水分で膨らみ便のかさを増やすプランタゴ・オバタ、大腸の運動を助けるセンノサイドカルシウム、アロエエキス、ジュウヤクと4種の植物由来成分を配合。のみやすいマンゴー風味の顆粒剤。

  • ウィズワンエル
  • 水分を吸収して膨張するプランタゴ・オバタ、腸のぜん動運動を活発にするセンノシド、植物性乳酸菌を配合。便秘、便秘に伴う肌荒れ、腹部の膨満感などの症状に効く。ヨーグルト風味の顆粒剤。

  • タケダ漢方便秘薬
  • 漢方の「大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)」に基づき、甘苦と独自開発の信州大黄を配合。大腸刺激成分に変化し自然に近いお通じを促す。腹部のはり、吹き出物にも効果がある。

  • ビオフェルミン便秘薬
  • 大腸の運動を高め、水分の吸収を抑えて便通を促すピコスルファートナトリウム水和物を配合。大腸で活性化して徐々に効く。便を軟らかくするビフィズス菌と乳酸菌も含む。

大腸刺激性下剤など

  • コーラックソフト
  • 腸管のぜん動運動を高め、水分の吸収を抑制して便通を促すピコスルファートナトリウム水和物を配合。胃や小腸では作用せず、大腸に届いてから腸内殺菌により活性化して徐々に効果をあらわす。

  • スルーラックS
  • 大腸粘膜に直接働きかけ、腸管のぜん動運動を促すピサコジルと、大腸内の細菌により代謝され、ぜん動運動を促すセンノサイドカルシウムを配合。腸の働きを助けて硬くつまった便を押し出す。

  • カイベールC
  • 大腸の粘膜に作用して便通を促すピサコジルと、腸のぜん動運動を高めるとともに水分の吸収を抑制するセンノサイドを配合。腸溶性コーティングのため、2つの成分が大腸に届いてから作用する。
    塩類下剤

  • スラーリア
  • 身体の水分を腸管に集めて、便を水で軟らかくする酸化マグネシウムを有効成分として配合。直接腸管を刺激しないので負担が少なく、5歳以上からのめる。効きめの速い速崩タイプの錠剤。

  • 錠剤ミルマグLX
  • 有効成分として水酸化マグネシウムを配合。マグネシウムイオンの働きで腸内に水分を集め、便を軟らかくして便通を促す。腸の力が弱くなった高齢者や子供(5歳以上)でものめる。

  • イチジク浣腸30
  • 浣腸・坐剤

    肛門から注入されたグリセリンが直腸を刺激して、便意を促す浣腸タイプ。便意をもよおす時間の目安は、3~10分後。慢性の便秘、旅行先やストレス性の一時的な便秘に。

  • コーラック座薬タイプ
  • 直腸内で溶けて有効成分が反応することにより、腸内に炭酸ガスを発生する坐薬。ガスの刺激が腸のぜん動運動を活発にし、10~30分程度で便通が促される。直腸のみに作用するので腹痛が起きにくく、直接排泄できる。
    肥満症改善薬

  • 新コッコアポA錠
  • 漢方の防風通聖散(ぼうふう つうしょうさん)に基づく処方。トウキ・シヤクヤクなど17種類の生薬を配合。便秘を改善し、老廃物の排出を促す。また、代謝を活発にして皮下脂肪を減らす。

  • ロート防已黄耆湯
  • 水分代謝に働くボウイ、オウギ、消化吸収を改善するタイソウ、ショウキョウなど6種の生薬を配合。余分な水分を尿として排せつし、むくみを改善。水太りのぽっちゃりタイプや多汗症に効く。

使いすぎには要注意の便秘薬」への2件のフィードバック

  1. ピンバック: 便秘の治療に使われる薬 | 薬の効能と副作用(生活習慣病に関連する薬)

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